平成14年度(2001年夏)
◆二次試験
・模擬授業
思えば,教室に入るところから雲行きが怪しかった。
荷物は全て持って移動ということだったんで,とにかく大荷物。
カバン持って,傘持って,面接官に渡す書類一式持って…日ごろの癖であやうく足で扉を開けそうになる。←これは冗談。
でも「失礼します」と入ったときに,荷物の始末に困る。
「傘は扉のところにでも置いといてください」いったん席につきかけたのがあたふたとドアのとこまで往復してるんだからみっともないことこの上ない。
調子が狂って,このあとやや錯乱気味。
ちなみに面接官は教室の中央(やや前?)に3人並んで座っている。
この方々を生徒役にして当てたりしてはいけないとはいわれなかったけれど,だいたいがして当てられるような雰囲気じゃない,
面接官に書類を渡して,さあ始まるかってところで,自分の分まで一緒に渡しちゃったことに気がつき,あわてて回収。
まずは5分間で指導案の説明をする。
説明の練習もしておけばよかったなぁ…これまたぶっつけ本番。
対象・科目・単元名なんかは見れば(見てくれてたら)わかるってもらえるであろうと思い,ここではなぜその単元をやろうと思ったのか,今回の授業のポイントはどこなのかに絞って説明をする。
個人的な目論見としては,展開部分の(1)朝貢貿易ってなんだろう???or(2)清とイギリスの貿易関係のどっちかが指定されるように,一生懸命「単元全体の理解はここがわかることが必要」「ここが本時のポイントです」とか網を張ったんだけど,面接官は無常にも「では導入の部分をお願いします」(チーン♪←ベルの音。)ときたもんだ。
もう調子狂いっぱなし。
てっきり展開のどちらかがあたるだろうという予測(思い込みともいう)のもとに,そこらへんだけは練習してきたのに,水の泡である。
試験受ける側としては,やれっていわれたところをやるしかないんだけど。
さて,腹くくって即興詩人にならねば。
<以下不確かな回想に基づく再現>
今日から中国の近代史を勉強していこうね。「いきなり中国?」って思うかもしれないけど,こないだまで勉強してきたヨーロッパの国がアジアに進出してきたって話だから,時間的には連続してるしさ,安心してね。近代になると地球規模での,流行の言葉でいえば“グローバルな”世界史が展開していくんだね。しっかり勉強すれば視野が広がってさらに世界史面白くなるよー。…ぜひなってね。
じゃあ,ヨーロッパが市民革命とか産業革命とかやってた頃,中国にはなんていう王朝があったんだっけ?誰か知らない?Gくん!(窓際後方の生徒を指名)あら,いいお返事。で,君は知ってる?…そっか,知らないかぁ。じゃあ誰なら知ってそう?なるほどね。Mくん!(中央の生徒を指名)ご指名だよー,期待に応えてあげてよ。…うんうん,さすがだね,ありがと。そう,その頃の中国には清という王朝があったんでした。Gくんもいい読みだったねー。
(板書→黒板左やや上方に「清」と大きく書く)
みんな清って聞いたことある?…あ,Yくんは『ラストエンペラー』観たんだ。他にこの映画観たことある人いる?…意外にいるんだね。テレビでもやったしね。そう,その清朝の話をこれからするの。『ラストエンペラー』の時代までばっちりやるからね。
この清って国ができたのは1616年(板書→「清」に続けて[1616―)。日本では,大阪の陣が終わっていよいよ徳川さんの天下が固まろうって頃よね。…あー,そうそう,Sくんはよくご存知だ。武家諸法度とかって中学校で教わったでしょ?あれが1615年のことね。つまり日本で江戸幕府ができて機能し始めた頃,海の向こうの中国大陸では新しい王朝がまさに興らんとしていたんだな。
じゃあ,Yくん。『ラストエンペラー』思い出してね,この清朝が滅んだのっていつの話?…そうね,まだ溥儀はちっちゃいコドモだった。…覚えてないか。あのね,…1912年。辛亥革命なんて出てこなかった?(板書→1912])ま,いいや。これからみっちり勉強していきましょ。ともあれ,私達の生まれた20世紀までこの王朝が続いてたんだなーってことを頭に入れといて。
(机間巡視→とある生徒のノートを覗いて漢字の間違いを指摘,とある生徒の質問に答える)
よろしい?…うん,じゃあ次にその清朝を建てた民族について話をするね。中国で一番多い民族ってなんだろう?…あー,Nくんえらいよく知ってた,そう,漢民族よね。漢字とかっていうくらいだもんねー。
(チーン♪お時間。即興詩人終了)
皆さんおっしゃるように,恐るべき一人芝居。
でもやりだしたら全然そんなこと気にならなかった。
何でか知らんけど,良くも悪くもほんとに教室でふだんの授業をやってるような感じだった。
実際に生徒もいるみたいな気がしてた。
自分では,まあ声も出ていたと思うし,どう見えてるかはともかく笑顔も出ていて愛想はよかったかな。
面接官が何やっててどこ見てたのかはよくわからない。 |